眠る心
「大丈夫には見えないよ
 しゅうちゃん
 自分を痛めつけるのは
 もう止めた方がいい
  
 ご飯も食べずに
 酒に溺れる毎日
 
 正直、今のしゅうちゃんを
 見てるのは昔のしゅうちゃん
 を見てるようでツライんだ」

「アユ、それは・・・」

「ヒジリ、いいんだ」

柊雨自身が、その事を
一番よく分かっていた。
  
歩の言う通り、今の自分は
生きる事に何の意味も
見出せなかった頃の
自分自身と同じかもしれない。

「でも、しゅうちゃんは
 もう昔のしゅうちゃん
 じゃない
 守る者ができたことで
 日常を大切にして
 一生懸命に生きている
 ただ今は
 見失ってるだけだよ」
 
「なぎちゃんの病気は
 答えを出す事が
 とてもむずかしい
   
 時間もどのくらい必要か
 本当に思い出せるのか
 正直、全く分からない
 ・・・・・」

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