眠る心
俺は煙草を買い、店の外で
ボーッと立ち尽くしている
所に、彼女が現れた。

彼女は俺の姿を見て
急いで店の中に戻ろうと
ドアに手をかけた。

俺は、考えるよりも先に
彼女の手を強く掴んでいた。

「逃げないで」

温かい手・・・

「お前の手

 ・・・温かいね」

顔を真っ赤に染めた彼女は
気を失いそうになり
俺は、強く抱きしめた。

「もう、大丈夫です」

「もう少しこのままでいて
 お願い」

俺は彼女の体温を感じながら
愛おしいと思い

離したく無いと思った。
< 74 / 236 >

この作品をシェア

pagetop