眠る心
そう言って、差し出した
俺の手に彼女の手が触れ
俺は、その温かい手を
強く握りしめた。

その後は二人ともただ黙って
 
皆の待つ場所へと戻った。

もう、自分から誰かを
好きになる事なんて無いと
思っていた。

固く鍵を掛けたはずの俺の心が
また人を好きになる。

しかも、13歳も年の離れた
彼女の事を・・・

「なっちゃん
 どこに行ってたの?
 探したよ」

「まゆちゃん、ごめんなさい」

そう言って、彼女は繋いでいた
手を恥ずかしそうに解いて
駆けて行った。

「しゅうちゃんと一緒に
 いたんなら安心だね」

俺と一緒に居て安心なのか
俺はそんなに紳士じゃないけど

ファンには、そう思われて
いるのかと思い笑った。
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