眠る心
その後も、俺は只黙って
酒を飲み続けた。

目線は言うまでもなく
彼女を探し
 
彼女も俺を見ては視線を
反らす。

「あれ、柊雨さん
 彼女さんは?」

「彼女なの?
 確かしゅうちゃんのファンで
 雑誌のモデルだったかな?
 まだつきあってないでしょう
 つきあうの?」
 
俺は、マネージャーと
歩の問いかけに、顔を
左右に振った。

BARを出て、知人のやっている
飲み屋へ向かう事にする。
  
終電の時間や、明日の仕事
用事等で大半の奴らは
帰って行った。
 
「俺たちも
 そろそろ帰ります」

「そっか、電車?
 彼女達は、ちゃんと
 帰れるのかな」

そう、歩が心配して言う。
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