眠る心
決断

苦しい決断

病室へと続く廊下を歩きながら
私は、紫季の言葉を思い出して
つい微笑が零れる・・・

貴方の言葉が頭をグルグルと
駆け巡る。

病室ではノートパソコンを
開いて待っている繭子の姿。

「まゆちゃん、来てたの?」

「仕事持って帰って来たわ
 それより診察だったの?」

「うん、しき先生が二、三日後
 に退院できるように
 進めて行きましょうって」

「なっちゃん、良かったね 
    
 そうだ、しゅうちゃんにも
 早く知らせてあげなくちゃ
 
 喜ぶわよ
    
 確か、全国ツアーが始まって
 今日は京都ライブのはずだから

 今頃は、ちょうど
 リハの最中かもしれないけど
 メールしてくるね」

喜ぶ姉・繭子は、携帯電話を
持って病室の外へと出て行く。

< 91 / 236 >

この作品をシェア

pagetop