宛て名のないX'mas

―…

「…はっ!」


気がつくと、時計が二時間経過していた。

窓の外は真っ暗。

どうやら机にうつぶせて、そのまま眠ってしまっていたらしい。
二人揃って。


「うわぁ、嘘…」


はっと課題を見ると、大体終わっていた。

とりあえずは、ホッとする裕美だが、変な体制で寝たからか、足がしびれてかなりキツイ…。


裕美は昨日寝たのが三時過ぎだったので、その寝不足が祟ったらしい。


あくびをしながら後ろ頭を掻いて、亮太を起こそうとした。

しかし、思わず伸ばした手をひっこめた。



亮太は寝息を立てて、気持ちよさそうに寝ている。

裕美は、無理やり起こすのをやめて、ひじをついて、その寝顔を眺めた。


(部活、頑張ってきて疲れてるんだな、きっと)


思わず微笑んだ。

裕美は椅子にかかっていた亮太のグレーのセーターのカーディガンを持ってきて、亮太にそっとかけた。


すると亮太は、もぞもぞと動いて腕に顔を擦り付けた。

裕美は、微笑んでから、あと残った三ページ分の解き方のヒントを書き、部屋を出た。


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