宛て名のないX'mas
【Re:亮太先輩へ☆】
亮太先輩、補習大変でしたね(。>_<)でもよく頑張りました(*^_^*)えらい、えらい♪
私は初めてお菓子作りに挑戦しました!クッキーです☆もう少し上手にできるようになったら、亮太先輩に食べてほしいな(*^_^*)楽しみにしててください♪
―――――――
「はぁ~」
亮太は、部屋でサッカーボールを回したりしながら、ぼーっとしていた。
みゃーっとどら吉がかまってくる。
亮太は携帯を出した。受信ボックス。
裕美からの返事はナシ。
その代わり、この前知り合った後輩の女の子からのメールがきていた。
その子は、可愛らしいが、積極的で、亮太に猛烈アタックしている。
純粋に想ってくれている彼女。なのに、亮太は返事を出せずにいた。
裕美のことが気になって。
「俺はバカか。あんな可愛い子が俺のこと好きでいてくれんのに。何してんだよなぁ、俺」
亮太はこの前、裕美が言っていたサンタさんのことを思い出した。
本当にサンタさんがいるんだったら、もっと自分の気持ちに素直にさせてほしい。
亮太は、どら吉が鳴らす、首輪の鈴の音を聞いて、そんなことを思った。
その時、電話が鳴った。
「…んだよ、王子だし。あい、もしもし」
『お、亮太?俺、孝志~。今、平気か?』
「あ、全然オッケー。どうしたんすか?」
(どうせ裕美のこと…だよな?)
『裕美ちゃんのことだけど』
(やっぱりな…)