雨のち晴れ模様。
■□雲の再会。□■
《愛葵》
4月7日
私は、三原(みつはら)中学校に入学する。
今は、亜李沙と小学校の近くの本屋に来ていた。
昨日の亜李沙の誕生日、3月19日に私達は小学校を卒業した。
天先輩と出会って1ヶ月が過ぎようとしていた。
まだ卒業したっていう実感が湧かないのは亜李沙と居るからなのかな?
あと少ししたら今まで当たり前だった亜李沙とくだらない話をするのもろくに出来なくなってしまう。
こうして大人になっていくのだろうけど、なんか寂しい。
本屋を出た私達は、近くにあるクレープ屋さんに来た。
そこで一時間みっちりを話した。
「愛葵、好きな人早く作りなよ~…」
これが最近の亜李沙の口癖。
私はアニメにどっぷり浸っていたのだ。
アニメのキャラの話しかしない私は、恋バナ大好きな亜李沙にとって、少し物足りないのだと思う。
一瞬、天先輩のことが浮かんだが、あれは私が男子に免疫がなくてビックリしてドキドキしただけ!!と自分に言い聞かせて、
「う~ん…まぁそのうち…」
と曖昧に亜李沙に返す。
「あっ!!」
突然思い出したように叫んだ亜李沙。
「これ!!遣十に渡して!!」
そう言って、ピンクの封筒を差し出す。
これは、亜李沙の好きな人、櫂遣十(かいけんと)に対してのラブレター。