雨のち晴れ模様。
あっという間に月日は流れ、とうとう4月7日になった。
その日の午前中、小学校の頃の友達に借りていた本を返しにいった。
「おはよ~!!今日入学式だね!!」
「あれ!?私愛葵に言ってなかったっけ?私南ヶ丘中なんだよ!!」
5年の頃仲が良かった前田 璃莉(まえだりり)からの突然のカミングアウト…。
驚いたことは言うまでもない。
まぁ南ヶ丘も公立だから会えなくはないか。
「そっかぁ…これからあんま会えないね…」
「だね…でもこれからもメールしようね!!」
「うん!!」
そういって璃莉と別れた。
私はこれから三原中の入学式へ行く。
天先輩のことが頭をちらつく。
でももう2ヶ月経つし、向こうも忘れてるよね…。
ぼんやりそんな事を考えながら制服に着替えていると、お母さんの呼ぶ声が。
「愛葵―!!もう行くわよ―!!」
「は―い!!」
私は急いで、制服のリボンを着けた。
愛梨は生徒会長だからもう行ったらしい。