雨のち晴れ模様。
ウザったい疾風を尻目に、俺は入学式が行われる体育館に準備をしに昇降口へむかった。
「~~!!」
「~~。」
なにやら昇降口付近で声が聞こえる。
声のする方へ向かうと。
「だから~……!?」
楽しそうに喋る愛葵と目があった。
「…どうしたの?愛葵?」
不思議そうに友達が問う。
「い…いやぁ…」
完璧キョドっている愛葵。
「あ~いきちゃん♪」
「はっ疾風先輩!?こっこんにちはっ」
「こんちは♪あ、入学おめでと。これから陸上部の部員として…」
「え!?ちょ、ちょっと待って下さいっ!!私なんで陸上部なんですか!?」
「え?だって天が言ってたもん。」
…おい疾風、俺に話しを振るんじゃねぇ。
そう思って疾風を睨むと、疾風は小声で、
「…良いの?ネックレス。」
「…!?」
「このままだと一生返って来ないよ?天のだーいじなネックレス。」
疾風は嫌味ったらしく"大事な"と言うところを強調。
「…あのさ。ネックレス…」
「あ、はい!!すみませんでした!!では失礼しますっ」
俺にネックレスを突っ返して、愛葵は、そそくさと友達と体育館へ行ってしまった。
「あ~あ、愛葵ちゃん行っちゃった。」