雨のち晴れ模様。
■□雨の思い出。□■
《愛葵》
「雨だ…」
窓越しを見つめ、呟く私。
雨を見ると未だにあのときのことを思い出す。
一年前のことを…
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愛葵、小6…
「愛葵は部活なに入るの??」
「美術部に決まってんじゃん♪亜李沙は??」
「愛葵が美術部ならうちも美術部しよっかなぁ…」
そう言った幅瀬亜李沙(はばせありさ)は、私の一番仲が良い友達。
俗にいう親友??
私の名前は久遠愛葵。
来年度から姉が通う中学に入学する。
今は学校見学中。
亜李沙は私立に行くから来なくてもよかったのに、小学校の行事だから来たようだ。
「次、陸上部行かない??愛葵のお姉ちゃんいるんだよね??」
「あぁ…いるかなぁ…」
自慢じゃないけど私と姉の愛梨は両親の遺伝で足が速く、走るのも好きだった。
だから、美術部以外だったら陸上部に入ろうと思っている。
まぁそんなことはあるわけないし、美術部が一番だ。
ということで陸上部が活動しているグラウンドに亜李沙と来た。
数名の部員が走っている。