雨のち晴れ模様。
「えっ!?」
「ほら、行くぞ。」
天先輩は私に有無も言わせず私の手を引きながら下駄箱の中へ入った。
『じゃあね~』と呑気に疾風先輩はヒラヒラと手を振って去っていった。
「「………。」」
…無言が辛い…。
帰りたい…(泣)
「おい。」
「はぃ!?」
急に声をかけられてビックリして声が裏返った。
「お前、部活何入るの?」
「ほぇっ!?」
「だから、部活何入んだっつってんの!!」
「あ、えっと美術部に…」
「あ゛??お前なんつった?」
急に声が低くなった天先輩。
怖いっ(泣)
「いや、だから…」
「お前、陸上部入れ。」
「はっ!?」
「愛梨先輩の妹なら速いはずだから。」
「はぁ…」
するとそこへ、タイミングが良いのか悪いのか、愛梨が来た。
「遅くなってゴメン!!あれ??君は…」
愛梨は天先輩を不思議そうにみつめる。
「久遠先輩の後輩の河野天です。」
「あ、君!!思い出した!!一年の中で一番速い子だよね??」