キス魔なアイツ
ギラギラと真夏の太陽が照りつける外のベンチで、アイスを頬張る私たち4人。
「先輩と環も来週一緒にプールに行きませんか?」
「なっちゃん達プールに行くの? いいなぁ。行く!行く!! 絶対行く! ね?先輩いいでしょ?」
「……………」
何だか凄い眉間にシワが寄ってますが…。
「いいじゃないですかぁ。行きましょうよ。今年の環の水着、超かわいいですよ。白地に薄いブルーの水玉のビキニ。下はピラピラのミニスカなんです。私が選んだんだから、バッチリですよぉ」
「……………」
「独占欲強いと嫌われますよ」
なっちゃん様は最強らしい。
「ダメだけど、いい」
苦味を潰した顔した先輩は苦渋の選択をしたようだ。
でも、私もプールに行きたいし。
「ありがとぅ。先輩」
ちょっとだけ甘えた声を出してみた。
「おぅ」
なっちゃんと谷川くんが隣でゲラゲラ笑っている。
ごめんね、先輩。でも4人でプールすごく楽しみなんだ。
~なんて呑気に考えてた私だけど、当日に胸元を出せない理由が出来るとは。
日焼け対策用の首まであるラッシュガードを水着の上に着て泳ぐ羽目になろうとは。
この時の私は夢にも思ってなかったよ。
意外に銀先輩も策士かも…。