キス魔なアイツ
「遅い」
買い物をして部屋に戻った私に最初に言われた一言。
銀先輩と、近くにいたお姉さま達が私を見る。
500のペットボトル10本はかなり重いんだよ。
私だって遊んでた訳じゃないのに…。
私はジワッと込み上げて来る涙を耐えた。
「スミマセン…」
「は?聞こえねぇよ」
私は悔しくて、耐えてた涙が頬を伝わるのが分かって、とっさに顔を背けて部屋を飛び出した。
「環?」
入り口でなっちゃんとすれ違ったけれど、振り向けなかった。
何で私にだけあんな態度なの?
私何かしたのかな?
私の事、そんなにキライ?
その日から私はサークルに顔を出す気になれなかった。