ヒミツのオタクちゃん
「どうもありがとう、瀬野君」


ぺこっとお辞儀をしたオタクちゃんは、パッチリまつげも大きい目も、分厚いメガネの下に隠して俺の横を通り過ぎた。


びっくりした。

すごくびっくりした。

それはもう衝撃的だった。



だからこの後固まってしまった俺が、部活に遅れたってしょうがなかったと思う。



あんなん詐欺だろがーっ!
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