ヒミツのオタクちゃん
「ため息ついてるょ、リョウ君。 部活のことぉ?」

あははは、眉間にシワ寄ってるぅ。

なんて言って、伸びてきた吉山の指を、俺はよける。

「あー、まあそんなとこー」

いい加減うっとうしいなってことを分からせたくて、俺はあさっての方向を向いて不機嫌な顔で頬杖をつく。

「やだぁ、リョウ君イライラしてるっぽい? そーゆーときはさあ…」

まだ突っ込んでくるか、この状況で。

っつーか、自分が煙たがれてるなんて、これっぽっちも思わないのか?

KYって、こーゆー奴のこと言うんだろーなぁ。

「マンガでも読んだらいーょ! ねっ? ねーねー、オータちゃんマンガ、リョウ君に貸してあげてよぉ」
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