ビル群に咲く
 二行目には「アリはアラブ系の人によくある名前なの」と書いてあった。親切である。人の温かみを知った。
 以下、書き記す。
「実は、ボクはテロリストなのです。
 日本に潜伏したはしたけれど、日本の人間、みんな良い人間。
 とてもじゃないが、殺すことをできません。
 そこで、このフセインを差し上げます
 このフセインは一見するとノートPCですが実は壊したいビルを壊せるのです
 これがサダムフセインが開発した大量破壊兵器。
 見つかっていないのもそのはず、ボクが持ち逃げしたからなのです
 わかっていただけましたね。お好きにお使いください。何故あなたに渡したのかという と、縺ゅ↑縺溘・驕ク縺ー繧後@繧「繝ゥ繝紋ココ縺ェ縺ョ縺ァ縺・」
 最終的に文字化けにたどり着いていた。

 突っ込み所が多すぎて、どこから突っ込んで良いやらなのだが、とりあえずフセインについて突っ込んでおくことにする。
 何だ。フセイン。そのまんま過ぎやしないか。自分の作ったソフト(なのか)に自分の名前付けるなんてクール過ぎやしないか。「Windows」が「ゲイツ」じゃなくて良かったよ本当。「ゲイツVista」は「ゲイツ見通し」であり、これでは訳が全くわからない。全てお見通しだ! って事か。さすがゲイツ。やるじゃんゲイツ。「ゲイツMe」ゲイツは2000年エディションである。やるじゃんゲイツ。
 ゲイツといえばタイツである。ゲイツが全身タイツを穿き、おもむろに「ゲイツ(ミーでも構わない。Meだけに)にタイツを穿かせたのはドイツだ!コイツめ!」とでも言ってみろ、マイクロソフト社の会議室は一時騒然、黄色救急車が50台ほど横付けされる事となる。アブないぜゲイツ。やるじゃんゲイツ! ああゲイツ最高、ドイツ出身じゃないのにゲイツ、ああもうその不条理さに私など終始圧倒されっぱなしである。
 が、とりあえずゲイツの話も今は置いておくとし、それよりフセインが私の手に渡ってしまったのだ。一大事だ。
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