あたしの恋。

初めての塾だっから
しっかり先生の話を
きいて必死に問題を解いた

でも

気になってしまう

名前も知らないあの人


授業に集中したくても
できなかったんだ

私の視線は
黒板をとらえなかった


時間は過ぎて
塾もおわり。

入り口の近くに
座っていたから
帰る人がどんどん
コッチにくる

知らない人ばかりで
ただ呆然と
その光景に圧倒されていた

帰る準備をするために
下を向いていた視界に
目立つ色が入ってきた

思わず顔をあげると

派手な真っ赤なエナメルを
担いでいるあの人が
帰る姿だった


初めて近くで見た
後ろ姿だったけれど
かっこよかった

それから支度がおわり、
階段を降りていると
一緒の教室にいた子と
目が合った。
目がおっきくて
色白の小顔。
思わず可愛いと言いたくなる。

おもわず、声をかけた

「どこ中?」

「白中だよ,どこ?」

「橋中だよ!」

気づいたらもう外。

「じゃあ、また明日ね」

可愛い女の子が去っていった。
この子がこれからの
私を支える存在になるなんて
正直、おもわなかったし、
こんな未来がまってるなんて
思いもしなかった。
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