現代版 光源氏物語!
そしてまた手を掴まれ、ズルズルと…。

次は美容室やネイルサロン、果てはエステまで入っているセレブ女性御用達のビルだ。

「…社長、もしかしなくても常連ですか?」

「俺のダチがここの経営者なだけだ」

引き摺られるのも慣れ始めた時、最上階のエステに到着した。

「あれ? 美容室だけだったのでは?」

「手を触ってて気付いた。エステもしてこい」

ざくっ★

社長の冷静な一言が、胸に大きな傷を付けた。

社長はここの店員とも顔見知りらしく、わたしを引き渡すとどこかに行ってしまった。

社長の一言に深くショックを受けたまま、ニコニコ顔の女性エステティシャン達に、全身を揉まれてしまった。

エステなんてはじめての経験だったので、おかしな声を上げてしまった気がするけど…ショックが深過ぎてあまり記憶がない。

「では次はネイルの方にご案内します」
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