現代版 光源氏物語!
「ああ、ここのは美味いな」

「売っていないのが惜しいぐらいです。家に持ち帰って食べたいですね」

「ここで食べれば良いだろう? また連れてきてやる」

「ホントですか? 楽しみにしています!」

「ああ」

社長は優しく微笑み、またわたしの頭を撫でる。

…何か、本当に兄ができたみたいだ。

でも! 仕事はキチンとこなさなければ!

食事を済ませた後、会社に戻って来た時にはすでに定時近かった。

慌てて事務室と秘書室を行ったり来たりし、引き継ぎを何とか終わらせた。

秘書室にはすでにわたしの机が用意されていて、仕事がすぐにでもできるようになっていた。

「それじゃあ、ゆかりさん。明日からよろしくね。助かるわ。私達、計算が苦手で…」

「はい、課長。こちらこそよろしくお願いします」

秘書課長とは、戻ってきて改めて挨拶した。
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