現代版 光源氏物語!
「んもう! こっちよ!」

彼女に腕を捕まれ、移動した。

そして彼女は人だかりに向かって、声を張り上げた。

「ちょっとどいて! 藤壺さんが見えないじゃない!」

うえっ!?

彼女の出した声に驚き、全員がこっちを見た!

「藤壺…って、あのコが…」

「…そうなんだ」

しかし何故か視線がおかしい。

声を出した彼女ではなく、わたしを見て、みんな変な顔をしている。

「さっ、見て!」

彼女に言われ、わたしは前に歩いた。

そして人事異動の紙を見て………絶句した。

そこには、こう書かれていた。

【人事異動 事務→秘書 藤壺ゆかり】

「えっ…秘書? 人事異動? …わたしが?」

思わず自分を指さし、彼女の顔を見ると、険しい顔で頷かれた。

「そう。藤壺さん、あなたは今日から秘書課に転属です」

「えっ…へっ……はああああ!?」
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