現代版 光源氏物語!
どこでその情報をっ!?

確かにわたしは残業をしたことがない。

それどころか毎日、他の人の仕事を手伝っているぐらいだ。

でもそれは事務の人間しか知らないはず!

「頭のキレも良いし、見た目も悪くない」

頭のてっぺんからつま先まで見られ、思わず体が固まる。

「なら俺の側にいろ」

「理由がよく分かりません! そもそもわたしは秘書なんて華やかな仕事は似合いません。地味で目立たない事務が似合っているんです。戻してください!」

「勢い良いな」

社長と課長はおかしそうにクスクス笑っている。

かっからかわれてる?

「とっとにかく! 事務に戻してくれないのなら、辞職します!」

「社長を脅すのか?」

「それだけ事務の仕事を愛しているんです! 事務がやれないなら、ここにいる意味などありません!」

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