花歌―ハナウタ
店につくと、
『はい。これに着替えてね』

とピンクのスーツを渡された。



この店の制服のようだ。



言われるがままに、ロッカーにいき、二人で着替えた。



スカートもかなり短い。



こんな服を着るのもはじめてで、恥ずかしさもありながら、ちょっと大人な気分になった。



『似合ってるじゃん』

『超セクシーだし!!』



お互い緊張と動揺をかき消すかのように誉めあった。

ホールに出ると


『おっ、二人とも似合ってるね!』と言われ、


早速客に付かされた。



『今日体験入店の、あやかちゃんと、ようこちゃんでーす。

夜のお仕事は初めてなのでお手柔らかにお願いしますね〜』



あたしは、あやかということになっていた。



真由美は、ようこ。



とにかく、お客さんの話にかわいくニコニコ笑ってればいいから、と席につく前に耳打ちされ、ぎこちなく笑っていた。



『緊張してるの!かわぃいねぇ』



18と言うと、若いとちやほやされ、なんだか仕事してるというより、こっちが接客されてるような気分だった。



結構飲まされ、気分もよくなり、13000円を手にしたときにはすっかりできあがっていた。



真由美もあたしもこんなもんかぁ、チョロいね、なんていいながら、家路についた。




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