花歌―ハナウタ

前向き

―――ピンポーン





玄関のチャイムの音で目が覚めた。





誰だろう?



眠い目をこすりながら、ほんの少し、ドアをあけると警察がたっていた。




ドキッとした。



あたし何か捕まるようなことした??




高鳴る鼓動をさとられないようにと、
努めて冷静に振る舞う。






『住民調査です』



警察手帳を見せられた。




なんだ…
びっくりしたじゃん




『最近、ここの近所で、痴漢が相次いでいるので、気をつけてください。』


   
警察官は、そういうと、部屋の中をちらっと見た。



『一人暮らししてるの?』


『そうです。』




『若い女性は狙われやすいから、何かあったときはすぐに連絡してください。

携帯番号も控えておきますので』



あたしは言われるまま、
携帯番号をメモした。



部屋を物色するような目付きが気になった。




早く帰ってくれ。




なんかいろいろ聞かれたけど適当に答えた。





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