花歌―ハナウタ

17歳

仕事が決まらない。


高校に行ってたらちょうど春休みの真っ只中だ。



『ヤッバー!あと、小銭しかないよ…』


財布には残り300円と少し。


300円ちょっとで、お腹いっぱいになるもの何が買えるかな…とコンビニでうろうろ検討中。。



店員が不審そうな顔つきでこっちを見ている。



まるで、万引きでもしないか視察している感じだ。



『見てんじゃねーよ、ハゲ!』



胸くそ悪くなり、コンビニを出た。





その時、携帯が鳴った。



着信  真由美



高校の同級生だ。


学校ではそこまで仲いいわけじゃなかったけど。


あたしが仲良しな子と友達だったから、たまにしゃべったりはしてたくらいの子。



『…もしもーし』



『もしもし〜あたし真由美!元気ぃ?
てゆーか!今一人暮らししてんだってうらやましーぃ。
今春休みだからさぁ、遊び行っていい??』




高校で噂になってるらしい。



『別にいいけど』


『じゃ、今から行くわ!場所わかんないから、駅についたら電話するからさぁ、迎えにきてね』



返事をするかしないかのうちに、一方的に電話は切れた。


(今から?勝手だな〜こいつってこんなやつだったっけ?)


でもこっちにきてから、誰も知り合いがいなかったから、そこまで仲良くなかったにしても、知ってる子に会うのはちょっとうれしかった。




< 7 / 80 >

この作品をシェア

pagetop