ことば
夜、大槻さんに短いメールを送ってみた。

「写真現像したいんですけど、部室行っていいですか?」

すると、30分ぐらいで、彼らしい爽やかな返事が入った。

「もちろん!!現像のやり方とかわからんよな?俺でよければ教えるから、明日の4時ぐらいとかいける?」

明日は3時までの講義があるから、彼が指定した時間はベストだったのですぐにOKの返事をした。


(どんな写真に仕上がってるんやろ…)

久しぶりにドキドキワクワクしている自分がいる。

たくさん撮り続ければ、いつか私にもあの自由人みたいな写真が撮れるのだろうか。

そう言えば、あの自由人は今はどこで何をしているんだろう。

今日もどこかで、周りの目も気にせず、空に向かってシャッターを切り続けているのだろうか。

どうして空の写真を撮ろうと思ったんだろう。

将来は写真家になるんだろうか。


次々に色んな疑問が湧き出てきて、気になって気になって眠れなくなってしまった。


まだきちんと会った事もない人物の事が、こんなにも気になるなんてどうかしてる。

自分とは掛け離れた世界にいる様に思えるあの男が、どんな風に笑い、どんな風な声をしているのか。

もしかしたら、明日部室に行けば会えるかもしれない。

そう考え出すと、ますます眠れなくなった。





< 17 / 17 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ヒコーキ雲に乗って
maam/著

総文字数/27,607

恋愛(その他)40ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop