甘い声で囁いて
テーブルの上には相変わらず凝ったお料理ばかりが並んでいる。
ほうれん草と菊のおひたし。ちゃんと出汁から作った卵焼き。
そしてお野菜たっぷり入った味噌汁と、焼き魚。
あたしは別にコーンフレークとか、
そういう簡単なものでもいいって言ってるのに。
神経質で真面目なお兄ちゃんは毎朝こうしてご飯を作ってくれる。
そう、お兄ちゃんはとにかく神経質で几帳面なのだ。料理に対しても。
そんな彼はいつもこんな事を言う。
一日で一番大事なのは朝食なんだって。
だからこうして一緒に食べる。
揃って、おひたしを食べる。
まぁ・・美味しいから別にいいけど。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」