甘い声で囁いて
「気が済んだか?」
思い切り泣いて、泣きまくって。
それでも加宮..さんはあたしの傍に黙っていてくれた。
こくんと頷くと
「よし、んじゃあ俺寝るわ」
ソファーから立ち上がって歩き出す。
パタパタなるスリッパの音。
遠くから見ても整った顔。
こんな人があたしの傍にいてくれたんだ。
「コドモは早く寝ろよ」
一度だけこちらを向いてそう言い残してリビングを出て行った。
「子供..じゃないもん」
もう誰もいないリビングに
あたしの声が寂しく響いた。