甘い声で囁いて
いつものようにリビングに入ると
いつものように笑顔で迎えてくれるお兄ちゃんがいて。
「おはよう」
少しだけ視線を逸らして席に座る。
加宮..さんは昨日あぁ言ってくれたおかげなのか
少しだけ
ほんの少しだけだけれども
安心してしまう。
あんな奴に助けられるなんて。
「あれ?あの人は?」
「あぁユージなら今朝早くから出て行ったよ。アニメのアフレコがあるらしい」
そっか。
声優さんも大変なんだな。
「そういえば、出かける前に言ってたぞ。いつまでもべそべそ泣くなよって。
お前達喧嘩でもしたのか?」