甘い声で囁いて
「け、喧嘩なんかしてないよ!!」
ぷいっと反対を向くと、同時にコトンとお茶碗が目の前に置かれる。
「何があったんだ?」
優しい目で見つめるお兄ちゃん。
「べ、別に...」
あたしってば何でこう素直に言えないんだろう?
聞けないんだろう?
「みゅう?」
呼ばれて見上げるとぽんっと手を頭に置かれた。
お兄ちゃんのクセだ。
喋って欲しい時にあたしの頭に手を置くクセ。
そして
「兄ちゃんじゃ力になれないのか?」
そんな目で..見ないでよ。
これを口にしてしまってもいいの?
大丈夫なの?
頭の中で疑問がいっぱいだったのに
「お兄ちゃん..あたしのせいで..結婚出来ないの?」