甘い声で囁いて
ハッとした時には既に遅くて。
どうすればいいのか分からずあたふたしてるあたしに
お兄ちゃんはぽんっとあたしの頭に手を置いて。
それからくしゃくしゃっと乱暴に撫でまわした。
「お兄ちゃん?」
「いいから、こうされとけ」
チラッとだけ視線を合わせると
いつもの優しい声で
優しい笑顔であたしを見つめてくれる。
「お前は..ったくそんな事を悩んでたのか?」
「そ、そういうわけではないけれど..でも」
「結婚しないのはお前のせいじゃないよ」
お兄ちゃんの温もりが頭から全身に伝わって来る。