甘い声で囁いて
「あ、もしかしてユージが余計な事言ってたのか?」
「んん..違う..でも」
あれだけ泣いたのに
どうしてまた涙が溢れてくるんだろう。
「大丈夫だよ。お前が心配する事は何もないから」
いつだってそう。
お兄ちゃんはそう言って
あたしを安心させて
遠くに行ってしまう。
「何か修学旅行の時思い出すな」
クスッと笑いながらそう言うお兄ちゃんに
あたしもあの頃にタイムスリップする。
中学の修学旅行も
高校の修学旅行も
必ず一緒に行くって泣きながらお兄ちゃんにお願いしてた。