甘い声で囁いて
「分かりません」
美弥さんと別れた後。
あたし達は二人並んで駅まで歩いてる。
さすがはお仕事の街だ。ここには仕事に関係のないお店は一切ない。
ビジネス街ってこういう所なんだって
初めて来て思った。
周りもどの人も忙しそうに歩いてる。
お兄ちゃんも普段はこんな風にして歩いているのかな。
そう思うと少し
ううん、ちょっとだけお兄ちゃんが遠い存在のような気がして
寂しくなった。
「分からないっていうのは?お前の兄貴のこと?それともアイツの事か?」