甘い声で囁いて
独り言のつもりだったのに
つい敬語で呟いてしまったからか、律儀に返事をしてくれる加宮さんに
少しおかしくなる。
「..あたしは..子供なんでしょうか?」
あたしには分からない。
美弥さんの待つと言った気持ちも。
お兄ちゃんが断った気持ちも。
「だって同じ気持ちなら何も迷う事なんてないと思うんです。それに美弥さんだって。
あんなお兄ちゃんを待つなんて..あたしには分かりません」
加宮さんは黙ってあたしの言葉を聞くだけで何も喋らない。
「大体、お兄ちゃんだって!!せっかくプロポーズをしてくれた美弥さんに対して
凄く失礼だし!」
「まぁな、でも俺はなんとなく分かる」