甘い声で囁いて



「今日何かあったのか?」



夕食の用意がすべて整い、席に着いたと同時にお兄ちゃんが言ってきた。



さすがはお兄ちゃん、鋭い。



「べ、別に・・何でもない・・」



で、嘘が下手なあたし。



「学校でいじめられたのか?何かイヤな事でもあったのか?」



「何もないよ・・大丈夫」



大丈夫じゃないのは、お兄ちゃんの方でしょ?



あたしにばっかり気を使ってさ。


その上、あんなきれいな女の人からのプロポーズを断るなんて・・


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