甘い声で囁いて
「みゅう?」
「最初は美弥さんが悪いと思ってた。何でお兄ちゃんの事振るんだろうって。
でも美弥さんはずっと待ってるって言ってるんだよ?
あたしはまだそういうのわからないけど。でもそんなに想ってくれる人がいるのに、
事情も説明しないで真っ先に背中を向けちゃうなんて。ずるいよ!」
「・・・」
「何が器じゃない?何が振られたよ!何もしてないんじゃない!!そんな勇気もないくせに。あたしにいっちょ前に文句付けないでよ!!」
お兄ちゃんに睨みつけると後先考えずに家を飛び出した。
どこまで行けばいいのかもわからないけど。
でもそれでも走った。
お兄ちゃんに対する怒りと
それから
ごめんを何度も心の中でつぶやきながら。