甘い声で囁いて
「みゅう」
ぽたぽたと地面に水たまりを作りながら泣いていると
後ろからお兄ちゃんの声がして
ゆっくり振り返った。
ギーコーギーコー
二人でブランコをこぎながら交互に揺れる。
「お前にまさかあんな事言われるなんてな」
くすっと笑いながら足を延ばしたり、曲げたりしてどんどんスピードを上げる。
「・・ごめんなさい」
「お前のせいじゃないよ」
お兄ちゃんはそう言うとさらにスピードを上げた。
「自信がなかったんだ」
「お兄ちゃん・・」
「美弥は俺よりも年上で。きれいで、仕事も出来て。正直狙ってる男もたくさんいて。なのに俺は普通で。特にもてるわけじゃないし。・・だから」
「でも、好きなんだよね?」