甘い声で囁いて
会ったら絶対に色々言ってやろうと思ったのに
そんなのはもう何処かに吹っ飛んでしまって。
あたしはやっと会えた事が嬉しくて。
加宮さんの背中に腕を回して
存在を確かめるように
ぎゅっと力を込めた。
「は?俺がいない間にそんな事になってたのかよ」
家には帰らず、近所の公園で話をすことにしたあたしは。
昨日の事を全部加宮さんに報告した。
「ったく、美弥も強情なトコあるからな」
「美弥さん、強情なんですか?」
「まぁな、で、しかも年上だろ?」
「でもお兄ちゃんも何と言うか..」
「あいつは優しすぎるんだよ、っとに..何だよ」
「え?」
「何でお前がそんな嬉しそうなんだよ」
「だって」