甘い声で囁いて
「分かるか!!だから人間のカスのようなお前に美弥をやるつもりなんて..」
ごめん、お兄ちゃん
本当にごめんなさいっ!
「い、いい加減にしてください!!!!」
バンッとテーブルを叩いて立ち上がった。
「な、なんだ、お前は!!」
「すみません、もう限界なんです!!お兄ちゃんの悪口、これ以上言わないで!!」
もう一度口を開くと止まらなかった。
「お兄ちゃんは優しくて、家族想いで、ヒーローみたいにいつも助けてくれて」
料理も出来て
心配症で
でも何かあったらいつでも相談に乗ってくれて...
「こんなに..いい人、なのに。お兄ちゃん、みたい、な、人。何処にも..
いないのに」
気が付くと涙が溢れていて
ぽたぽたと畳を濡らしていく。