甘い声で囁いて


「でも、嬉しかった」


嬉しかった..?


「何が?」


お兄ちゃんの言葉が少しだけ不思議で、涙を拭いながら
見上げる。


歪んだ視界に映っているのは


いつもの優しいお兄ちゃんの笑顔だった。



「お兄ちゃん..」


「俺は最高の妹を持ったな」


「美弥さんの事は?」


「持久戦かな、俺もあの人に最低な事言っちゃったし」


「へ?」




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