甘い声で囁いて
「本当にお前、美弥と結婚する気あんのかよ」
後ろから声がしたかと思えば
加宮さんがすごく不機嫌な顔で立っている。
「あ、あぁすまない」
「本当に将来家族になる義父に向かって“自分の事を言われるのは構わない、でも妹の事を泣かせないでやってください”なんて言わねぇぞ?」
「え?」
お兄ちゃん..?
驚いて顔をお兄ちゃんに向けると真っ赤にして加宮さんからも視線を外している。
「つか、泣かせたのはそもそもお前だっつーの」
バカか、フッと笑いながらお兄ちゃんの肩に手を置いた。
「美弥のオヤジさんから伝言。今すぐ家に来いってさ」
「「え?」」