甘い声で囁いて
まさか自分に用事があるとはとても思えなくて。
だけど、周りのどこをどう見ても
そこにはあたしと美羽ちゃんしかいない。
でもこの人とは初対面だし..
なんて思いながらじーっと岩城先輩を見つめる。
ブラウン色の綺麗な髪の毛をなびかせて
優しい、全てを包み込むような笑顔であたしに笑いかける。
なるほど、美羽ちゃんが騒ぐのが分かるかも。
フツーにテレビとかに出てそうな感じだもんね。
まぁ残念ながらあたしはドキドキしないけど。
あたしがドキドキするのはやっぱり響くんなんだと確信する。