甘い声で囁いて
バンっとテーブルを勢いよく叩く。
店内にはあたし達二人以外にもお客さんはちらほらいる。
でもそれを全く気にせずに声を大にして話を続けた。
「でも、響くんだけだもん、あたしの好きな人は」
たとえゲームのキャラクターでも
現実には会えなくても。
あたしの恋にかわりはない。
「分かってるよでもね、岩城先輩は現実にいる人の事を言ってるんだよ?」
「でも!響くんはちゃんとあたしの中に存在してるもん」
「じゃあ聞くけど。響君は喋れる?会話出来る?岩城先輩とやりあえるの?」
「それは・・」
出来ないけど・・次第に小さくなる声。