甘い声で囁いて
「同居って男の人?」
「あぁ。でも大丈夫、信用できるし、いい奴だからさ。ダメか?」
あたしの顔を窺うように聞いてくる。
「でも、どうして?急に」
「ちょっとした事情があってな、そいつ友達少ないし、頼れるの、
俺だけみたいで、何とか頼むよ」
頼む、なんてお兄ちゃんの口から出たのはきっと初めてだ。
そんな真剣な顔されたら断るわけにもいかないし。
それにきっとお兄ちゃんの友達なら変な人もいないだろうし。
「うん、別にいいけど」