甘い声で囁いて




学校を出ると、既に夏を知らせる暑い日差しが直接当たってくる。




通気性のいい夏服でもこの暑さは防ぐことはできない。



背中にじんわりとかく汗をうっとうしく思いながらも
先頭を切って案内する美羽ちゃんにこそっと声をかけた。




「美羽ちゃん、ありがとう!見つけてくれて」




あの人達に聞こえないようになるべく小さい声で言ったんだけど、
後ろの騒がしさを見たらそこまで遠慮することなんかなかったかもしれない。





「ううん、あたし別に見つけてないよ」



「え?」



それってどういう?




「昨日会ったでしょ?イケメンに」


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