甘い声で囁いて
「やば、キミと話したからやきもち焼いてるみたいだわ。
ごめん、こいつ連れて行くからさ」
じゃあね~そう言うなり
あたしの肩を抱きしめたまま反対を向いて歩きだす。
後ろから聞こえる「キャー」という黄色い声。
「ちょ、離れ」
それで一気に我に返ったあたしは強引に離れようするけど
「いーから、黙って抱かれてろ」
人差し指を唇に押し当てられて更に整った顔が近づく。
香水の匂いがふんわりと鼻をくすぐる。
仕方なく後ろを向いて美羽ちゃんに助けの視線を送ったけれど
「お幸せに~~~」
なんて全くあたしが求めていない声が耳に入って来た。