甘い声で囁いて
何でもないように言う。
まぁ確かにそうかもしれないけれど。
「つーか、お前結婚する予定じゃなかったっけ?」
「は?」
「ちょ、お前、何言って..」
何それ..お兄ちゃんが結婚ってどういうつもり?
ポカッと殴る音が聞こえて我に返る。
見ると加宮さんが痛そうに殴られた所をさすっていた。
じっと見つめるあたしに
「..もうナシになった話だ」
低い声でそう言うと
「いってきます」
あたしに背中を見せて家を出て行った。
お兄ちゃん..