<GREEN>
挽き立てのブラックコーヒーを飲みながら、
あたしは店長と荻くんを交互に観察していた。
世の中のホントのイケメンとは
こういう人達のことを言うのだろう。
業種なだけあって、見た目に気を使う人は
あたしのまわりには男でも女でも多く
それなりに目は肥えてきている。
着飾ればそれなりにイケメンや美女も
剥いで濡らしてとってしまえば
大抵フツーの人になったりするもので。
そんな人達をみてると、
この人のドスッピンとかこの程度だろうな~
とか超失礼な事を思ってたりするくらい
見た目審査に厳しくなっているあたし。
でも、見た目だけのカッコよさだけではなく
まとう雰囲気というのだろうか。
彼らからはそういうモノがある気がする。
「おまたせしました~」
店長がフレンチトーストとサラダのプレートを運んできてくれた。
「あ、ありがとう御座います。
いただきます。」
食べ物を見たら、一気に胃が求めてくるのがわかった。
しかもスゴイおいしそう。
ていうか
「んーーー!おいしぃ~~泣けてきますーーー」
お腹が相当減っていたのか
人が作ってくれた手料理を、久々に食べたからなのか
それはもう感動モノだった。
「・・ブッ・・!! ッハハ!飢えすぎ!」
オギくん笑いすぎ。
「お口にあってよかった。
今日は日曜日だから朝のお客さん殆どいないしゆっくりしていってね」
店長はニコニコしながら、
自分とオギくんの分のコーヒーもついで、
二人ともカウンターで一息入れはじめた。