<GREEN>


店長の年齢は20代の最後だとか

荻君がこの前来た男のお客さん誘われて
実はその人が荻くん目当ての攻める方だったとか

まぁそんな他愛ない会話をしていた所で

店長があたしの”核”に触れてきた。


「あれ、そういえば水木さん仕事は?
 今日月曜だけど」


「あー・・・・・」


目が泳ぐあたし

できれば言いたくなかった!


「3日前まで美容師してましたー。
 今は・・ニートです」


もうどこ見ていいかわからず
首をすくめていると


「美容師?」


荻君が食いついてきた。
”ニート”に食いつかなくてよかったわぁ!


「あーソレっぽいよね!オシャレさんって感じ。」


「いぃえ、そうでもないですよ~
 ただ、こんな明るい髪の色してると
 カタギな職業じゃないのはわかりますよね」


「僕もそうだよ~
 この歳でこーゆー髪とかヒゲしてると、
 『ホスト』とかね!」


「あ~、でも似合いそうですね」


「ようこそホストカフェ<GREEN>へ☆
 なんつって」


「あはは!そしたら荻君もじゃん!」


「俺イヤっすからね」


と ドきっぱり。

話がそっちに反れてくれるかと思いきや、


「で、今は辞めてニート?」


ドキリ。
荻くんスキなし!


「・・・アハハ・・・うーん・・・
 まぁ人件費削減のリストラですねぇ」


自分で言ってグッサリ。

実はこんなに凹んでたんだと
口に出したら気づいてしまった。










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