<GREEN>

「あ~・・不況だしねぇ・・・」

と店長。

「不況ですねぇ・・・」


なんだか妙にせつなくなってきて、
二人で窓の外を遠い目で見ていた。



「じゃぁ今度オレの髪切ってよ。」


唐突に荻くんに言われた。


「へ?」

「美容師だから切れるんでしょ?
 俺今美容室ジプシー。しかも金欠。」

「金欠ついでかよ(笑)まぁでも場所が・・・」

「店の裏とかで。店長いっすか?」

「いいけど、ちゃんと掃除してね~」

「よっしゃーカット代うく!
 代わりにコーヒー奢りますよネェさん」

「誰がネェさんよ。」


荻君のキレイな顔が
ちょっと色っぽくニヤリと笑った。

あー
もぉ
こーゆー顔かなりツボだったりするけど!


いきなり懐きやがったな。

ま。
いっか。




















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